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26/09/18
原田総括審、適正原価は重要なツール 規制緩和のひずみ正し

「24年問題は乗り切ったわけではなく、30年にはさらなる輸送力不足が予想される」とした原田総括審
国土交通省の原田修吾総括審議官兼物流統括調整官は、9月10日の就任会見で「(労働規制強化に伴う)2024年問題を機に物流にとって良い風が吹いている。この流れを加速したい」と述べ、1990年の規制緩和で起きたひずみを改善し、トラック運送を、ドライバーが誇りを持って安心して働ける業界に変えることに意欲を示した。
規制緩和以降、業界には多くの企業が参入し、さまざまなサービスが生まれた半面、過当競争という課題を抱えてきた。原田総括審は「国の定める公定価格がない中、トラックはバス・タクシーと異なり全国的に競争が続いた」と分析。結果として「特に車両数の少ない企業が確保すべき運賃を収受できず、ドライバーの賃金にしわ寄せがあった」とした。
こうした状況で、ドライバーの労働条件を改善するため、現在検討中の適正原価制度は、荷主との交渉で「重要なツールになる」と説明。一方、継続して適正原価を下回った場合、今後導入される事業許可更新制で許可が下りなくなることも指摘し「(運送企業)自身を律する厳しい基準にもなる」とした。
現実的に交渉できる内容に
今後の検討のポイントについては「現在の運賃をベースにするので幅はあるだろうが、下限価格ではなく、平均を踏まえて荷主と現実的に交渉できる適正原価にしたい」とした。物流事業全体を持続可能なものにするため、将来どのような適正原価が必要かを考えることが重要とした上で、さまざまな関係者の観点を盛り込みながら丁寧に意見をまとめ、「分かりやすい形の着地点を見出したい」と話した。
また、4月に始動した総合物流施策大綱に関しては「物流の基礎となる輸送力を持続可能なものとして供給することが重要で、(大綱に盛り込まれた)内容を漏れなくやっていく」と説明。このうち、実現を目指す政策に自動運転を挙げ、「労力や時間のかかる高速道路の幹線輸送を自動化できれば、世界が変わる。無人運転により、ドライバーの負担軽減や企業のコスト削減にもつながる」と期待を示した。
原田総括審は94年の入省後、これまで物流や自動車行政にも携わり、2021年の自動車局(当時)時代には総務課長、24年には九州運輸局長などを務めた。体を動かすことが好きで、夏は登山、冬はウインタースポーツが趣味。
はらだ・しゅうご=1970年11月1日生まれ、55歳。福岡県出身。94年東大法卒、運輸省(現・国土交通省)入省、2023年鉄道局総務課長、24年九州運輸局長、25年大臣官房審議官公共交通政策、物流・自動車局担当などを経て、26年8月大臣官房総括審議官に就任。
執筆者:Ye-Live編集部
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