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25/04/15

24年度のトラック倒産、14年ぶり350件超 「人手不足」関連が前年度1・6倍

         

 東京商工リサーチによると、2024年度のトラック運送業の倒産は前年度比2・3%増の353件だった=グラフ。4年連続で前年度を上回った。また、年度件数が350件を上回るのは10年度の369件以来、14年ぶり。「人手不足」関連倒産が前年度の1・6倍と過去最多を大幅に更新した。
 負債総額は前年度比17%減の494億1800万円で、3年ぶりに前年度を下回った。負債10億円以上が3件(前年度5件)、同5億円以上10億円未満が10件(同16件)に減少し、負債総額を押し下げた。
 「人手不足」関連倒産は前年度比60・4%増の77件で、内訳は「人件費高騰」が同87・5%増の30件、「後継者難」が同83・3%増の22件、「求人難」が同横ばいの16件、「従業員退職」が同125%増の9件だった。
 燃料費の高騰などによる「物価高」関連倒産は、同21・2%減の111件だった。東京商工リサーチは「燃料価格の高騰分の価格転嫁は徐々に浸透し始めた可能性がある」と見る。一方、人手不足については「今後も人件費は右肩上がりで推移する可能性が高く、運送業の収益を圧迫する懸念が高い」と分析。「産業界全体で価格や納期などの条件に対する荷主の理解や多重下請け構造の是正を進める必要がある」と呼び掛ける。
 同集計は、東京商工リサーチが2024年4月~25年3月の国内の企業倒産(負債額1000万円以上)についてまとめた。