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24/06/19

日通、東京→北海道の医薬品輸送の3分の1海上輸送に転換

 NXグループの日本通運(本社・東京、竹添進二郎社長)は6月、北海道向けの医薬品の海上輸送サービスを拡充した。東京―苫小牧の北海道航路を活用し、東日本医薬品センター(埼玉県久喜市)から北海道向けに発送される医薬品の3分の1を海上輸送に切り替える。医薬品輸送の選択肢を増やし、医薬品の安定供給に貢献する。
 モーダルシフトで、トラックドライバーの拘束時間と運行距離を大幅に短縮する。東京港から貨物を積んだトラックのみをRORO船に乗せる。無人航送で、製品の積み替えも不要。苫小牧港で下船後、苫小牧支店の同社ドライバーが道内の輸配送を担当する。
 15~25度の室温、2~8度の保冷の2温度帯の輸送にも対応するほか、輸送中の温度・位置・物流状況などのデータ提供が可能。悪天候で高速道路や鉄道が利用できない場合のBCP(事業継続計画)として活用できる。また、二酸化炭素排出量は、従来のトラック輸送サービスと比較して60%以上の削減を見込む。
 東京から北海道への医薬品輸送はこれまで、トラックで八戸港や青森港まで運び、ドライバーもフェリーに乗船。苫小牧港や函館港に到着後、同じドライバーがトラックで配達先まで輸送するのが一般的だった。NXグループは長期ビジョン実現に向け、トラック中心の輸送形態から鉄道・船舶を利用した輸送形態へのモーダルシフトを積極的に進めている。

苫小牧港に停泊するRORO船「ひまわり8」