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24/04/02

国交省、北海道の貨物鉄道巡り関係者にヒアリング

 北海道新幹線の札幌延伸で、JR北海道から経営分離する函館―長万部間の貨物鉄道の在り方を検討するため、国土交通省の有識者会議は3月22日、通運の業界団体と利用企業にヒアリングを行った。同会議は2024年度末にも意見を中間整理する方針。今後2~3回ほど、北海道発着貨物で鉄道を使う関係者から現状や課題を確認する。
 札幌市で開催された初のヒアリングには、全国通運連盟、日本通運、ヤマト運輸、日本郵便の本社と北海道駐在の責任者が出席。各企業と団体が鉄道輸送の利用状況などを説明した後、委員から聞き取りが行われた。
 国交省によると、ヒアリングでは、企業がどんなケースで鉄道と海上輸送を使い分けているかなどを説明。課題には、北海道を発着する荷量のバランスの悪さや運行ダイヤの厳しさが挙がった。また、さまざまな輸送手段を使い分けて需要に対応しており、北海道と本州を結ぶ貨物鉄道が使えなくなった場合、輸送品質低下のリスクが考えられるとの意見が出たという。
 ヒアリングは、検討会議の委員が北海道貨物鉄道の現状や課題を共有することが目的。「北海道発の農水産品輸送が注目されやすいが、宅配、書籍など本州発貨物も多い。今後の在り方を議論する前に、今何が起きているかの認識を共有する機会にしたい」(国交省)。
 次回は6月にも開催し、北海道発着貨物の輸送で鉄道利用の多い業種を対象とする。24年度末の中間まとめに向け、今後2~3回ほどのヒアリングを計画している。