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23/10/19

政府、モーダル倍増などを柱に緊急パッケージ策定

 政府は6日、来年4月の残業上限規制に伴う2024年問題対策を検討する関係閣僚会議を開き、物流革新緊急パッケージをまとめた。今後10年ほどで、鉄道、内航海運の輸送量・分担率を倍増させることや、トラックドライバーの労働負担軽減、スキルアップの支援などが柱となる。対策は月内にまとめる経済対策に反映する。
 残業上限規制の適用まで半年を切る中、賃上げや人材確保など、早期に具体的な成果が得られるよう、各施策に着手することが目的。何も対策を講じなかった場合、30年度の輸送力は現在より3割不足するとの指摘もあり、必要な予算を確保しながら、可能な施策を前倒しで進める。
 緊急パッケージは物流の効率化、荷主・消費者の行動変容、商慣行の見直しの3本柱でまとめた。このうち、効率化では今後10年ほどで、鉄道、内航海運の輸送量・分担率を倍増させる目標を掲げた。モーダルシフトを推進するため、港湾施設の整備も進める。
 またドライバー関連ではテールゲートリフターをはじめ、荷役作業の負担を軽減する機器の支援や、大型・けん引免許の取得といったスキルアップにつながる支援を展開する。燃油価格高騰を踏まえた物流施設の脱炭素化や車両の電動化、高速道路料金の大口多頻度割引の拡充措置の継続なども盛り込んだ。

再配達削減でポイント還元

 荷主・消費者の行動変容については、宅配便の再配達率を現在の12%から24年度に6%まで半減させる施策を展開。利用者がコンビニ受け取り、置き配などで受け取った場合、ポイントを還元する実証実験を行う。
 商慣行の見直しでは年内にも、物価動向の反映や荷待ち・荷役の対価を加算した標準的な運賃を示す他、来年の通常国会で荷主への規制的措置の法制化などを明記した。