• 物流企業
  • 荷主
  • その他

23/06/27

佐川急便、ユーグレナ通販の「サステナブル配送プロジェクト」開始

 佐川急便(本社・京都市、本村正秀社長)は6月26日、ユーグレナ社製品の公式通販サイトを通じた「サステナブル配送プロジェクト」を開始した。配送の一部に、ユーグレナ社の次世代バイオディーゼル燃料「サステオ」を活用。トラック輸送の温室効果ガスの排出量削減を目指す。
 「ユーグレナ・オンラインショップ」の利用者が生物由来のバイオ燃料普及のコストを支援できる仕組み。一口1000円。佐川急便の配送で届けるユーグレナ社製品が対象。初期目標として、大型トラック6台の1カ月分の使用量に当たる約3000リットルをバイオ燃料に置き換える。
 ユーグレナ社は集まった支援額と同額をバイオ燃料の導入費用として拠出し、佐川急便への供給を実施する。佐川急便も支援額と同額をバイオ燃料の導入資金とし、浜松営業所(浜松市)の車両でバイオ燃料を使用開始する。
 佐川急便はバイオ燃料による排出削減量をユーグレナ社に割り当てる計算方法を採用し、第三者機関の検証を受けて公平性・透明性を担保。プロジェクト終了後には第三者機関の検証を受けた二酸化炭素排出量の削減証明書をユーグレナ社向けに発行する。
 不特定多数の荷物を混載する宅配便事業では、「車両」「荷物」「環境価値」の一致が難しく、物流企業が荷主と協働で脱炭素を推進する際の障壁となっている。また、企業のみがコストを負担するこれまでの環境対策は、事業活動との両立に構造的な課題を抱えていた。
 サステオは食料との競合や森林破壊などの問題を起こさないバイオマス(生物資源)原料から造られている。燃料の燃焼段階では二酸化炭素を排出するが、原料の植物や藻類が成長過程の光合成で二酸化炭素を吸収するため、排出量実質ゼロに貢献すると期待されている。軽油と同等の性質を持つ炭化水素燃料で、現行車両にそのまま利用できる。今回提供する燃料の混合比率はバイオ燃料20%、石油系軽油80%。

トラック輸送の温室効果ガス排出量削減に向け、顧客・荷主・運送企業が共同で「サステナブル配送」に取り組む