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23/03/10

帝国データ調べ、前年度3倍ペースの「物価高倒産」目立つ運輸業

 帝国データバンクの調べによると、2023年2月の「物価高倒産」は月間過去最多の53件となり、8カ月連続で単月最多を更新した。業種詳細別では、運輸業が最も多く10件を占めた=グラフ①全業種の中でも、依然として価格転嫁率の低迷が目立つ。
  物価高倒産は、燃料・原材料などの価格上昇や取引先からの値下げ圧力を受け、価格転嫁・収益維持ができずに倒産した企業を集計した。2月は、これまでの月間最多だった2023年1月の50件をさらに上回った。年度ベースの物価高倒産は、前年度比の約3倍に達する見込みだ。
 倒産の要因別では、原材料が37・0%、エネルギーコストが24・6%、包装・資材が20・7%=グラフ②帝国データは「コロナ禍で経営体力が消耗する中、最後の追い打ちとして物価高の影響を受け、事業継続をあきらめるケースがほとんどだった」と分析している。
 負債規模別では、「1億~5億円未満」が17件で、全体の32・0%を占めた。「5000万円~1億円未満」が23%の12件、「10億円~50億円未満」が17%の9件。中規模以上の倒産が多かった。
 2月の全国企業倒産は574件となり、10カ月連続で前年同月から増加した。帝国データは「今後も建設業や飲食関係など価格転嫁率の低い業種を中心に、物価高倒産が増加傾向で推移していくだろう」としている。