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23/03/07

斉藤国交大臣、参議院質疑で標準的な運賃の延長を「前向きに検討」

斉藤鉄夫 国交相

 斉藤鉄夫国土交通相は3月1日の参院予算委員会で、来年3月末で時限措置の期限を迎える標準的な運賃の延長に関し、「前向きに検討したい」と話した。国交省はトラック業界などの意見を聞きながら、今後の対応を検討する方針で、延長に向けた動きが本格化しそうだ。
 立憲民主党の小沢雅仁議員の質問に回答した。トラック業界の適切な価格転嫁を進めるため、標準的な運賃の延長が必要ではないかとの問いに対し、斉藤国交相は「いまだに事業者の活用、荷主への理解・浸透が十分と言えず、引き続き適正な運賃収受に向けた環境整備が必要な状況にある」と説明。その上で「荷主への理解・協力を求めるとともに、関係者の声を聴きながら、議論を深めたい」と答えた。
 小沢議員が斉藤国交相に延長の考えを再度尋ねたところ、「前向きに検討したい」と応じた。
 また来年4月の残業上限規制の適用で、物流停滞が懸念される中、政府として緊急措置を講じる必要性があるのではないかとの問いに、岸田文雄首相は「迅速に対応する必要がある」と言及。適正取引を阻害する行為を是正するため、荷主に関係法令に基づく対応を行うとともに、輸送効率化の取り組みなどを挙げた。
 現在、国交省と経済産業省、農林水産省が検討中の不適切な商慣習の是正に向けた規制的措置の導入にも触れ、「政府全体でスピード感を持って取り組みたい」とした。