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22/12/12

国交省、過積載運行指示の疑いで関東の物流企業に「要請」

 国土交通省は11月、過積載運行を指示した疑いがあるとして、関東の元請け物流企業に対し、改正貨物自動車運送事業法に基づき、国土交通相による「要請」を行った。要請は8月の製造業の発荷主に実施したのに続き2例目。今後も改善がない場合は勧告した上で、社名公表となる。
 要請を受けたのは関東運輸局管内に本社を置く物流企業。同社は10月、国交省が提供情報を基に調査した結果、過積載を含め、運送企業の法令違反の原因となる恐れのある行為が複数あるとして働き掛けを受けていた。
 その後、近畿運輸局管内の別の企業からも、過積載運行の指示があったとの情報があった。調査したところ、違反原因行為をしていることを疑うに足りる相当な理由があり、要請に至った。

改善なければ次は勧告公表

 国交相による働き掛けは2019年7月に新設された制度。長時間の荷待ち、依頼にない付帯作業など、運送企業の法令違反の原因となる恐れのある「違反原因行為」の疑いがある荷主に、法令順守には配慮が重要と理解を求める。違反原因行為を疑う相当な理由がある場合は要請を行い、その後も改善がないと、勧告し、社名公表する。
 国交相による要請を巡っては、8月、中部運輸局管内の製造業の発荷主に初めて実施。この企業は昨年1月、長時間の荷待ちを理由に働き掛けを受けていたが、その後も改善がなく、運送企業の情報を基に要請に切り替えていた。
 要請を行った物流企業には、「次は勧告と社名公表になることを伝えた」と国交省。今後は改善計画を報告させ、対応を注視していく。