九州農産物通商、ブランド農産物の輸出トレーサビリティ実証

　九州農産物通商（本社・福岡市、田篭恭一社長）は８月下旬から９月上旬、福岡―香港間の福岡県産巨峰とシャインマスカットのトレーサビリティ（追跡性）実証を行った。農産物の産地出荷から消費者が購入するまでの流通工程の、産地偽装の防止や食の安全・安心を実現する。
　実証は輸送でchaintope（本社・福岡県飯塚市、正田英樹社長）が提供するブロックチェーン（分散台帳）技術を活用した。ぶどうの産地の出荷担当者がスマホアプリを利用してトレーサビリティ情報を記録し、同社が香港へ輸出。香港で各店舗へ届けられた。香港の青果店で消費者がぶどうのパッケージに張り付けられた２次元バーコードをスキャンするとトレーサビリティ情報を閲覧できる。また、トレーサビリティ情報の有無による「顧客の購買行動や意識の変化」のアンケート調査を行い、トレーサビリティ情報に価値を感じる顧客の多さを確認した。
　同社は2022年１月、博多あまおうをトレーサビリティの対象とし、２回目の実証を行う。１回目の実証から既存の業務フローに対して追加作業や追加コストが少ない連携要領の調査を実施する。