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21/03/03

経営状況調査、年度末も経営厳しく2割弱が収入2割減予想

 新型コロナウイルスの感染拡大による景気の悪化で、トラック運送企業が厳しい年度末を予想している。国土交通省の調査によると、3月の運送収入の見通しについて、回答企業の2割が前年同月比で「20%以上減少する」と答えた。資金繰り支援を受ける企業も増加しており、経営環境は悪化している。
 3月の運送収入の見通しを尋ねたところ、17%が「20%以上減少する」と答えた。「10%以上減少する」と合わせると、全体の41%を占めた。特に自動車関連貨物が業績に影響を与えており、回答企業は鉄鋼厚板などの金属素材が同20%減になると予想。完成車・オートバイ、自動車部品は同23%減とした。

 

資金繰り支援の企業が増加

 運送収入に関し、業界では昨年9月以降、やや改善に向かい、11月には「前年同月比で売り上げが20%以上落ちた」とする回答は全体の11%まで減少した。だが、その後は再び悪化し、今年1月には14%に増加。2月も16%の企業が2割以上の収入減を予想している。
 また経営悪化により、資金繰り支援を受ける企業も増えており、1月の調査では回答した119社のうち、44%が政府系・民間金融機関による融資などを「給付済み」と回答。「申請済み」「活用に向けて検討中」を合わせると52%に達した。雇用調整助成金も全体の41%に当たる企業が給付を受けたと答えた。
 調査は、国が業界団体を通じて毎月実施してるもの。トラック以外に宿泊や旅客、造船などの業界も対象し、新型コロナの影響を調べている。