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23/03/13

運送業の熱中症死傷者数、22年は倍増

 厚生労働省によると、2022年の運送業の熱中症による死傷者数(速報値)は前年比65人増の126人と倍増だった=グラフ。そのうち亡くなったのは同横ばいの1人で、朝方、30度強の気温下で野菜の洗浄作業を行っていた50代男性が犠牲となった。
 全業種の死傷者数は同244人増の805人。そのうち死者は同8人増の28人だった。運送業は20年以来2年ぶりに、建設業、製造業に次いで熱中症の死傷者が多い業種になった。
 18~22年の5年累計では、運送業の死傷者数は602人、そのうち8人が亡くなった。全業種に占める死傷者数の割合は建設21%、製造18%に続く16%だった。

6~8月だけで9割超

 22年の傾向を見ると、6月から死傷者数が急増し、8月まで3カ月間での発生が全体の9割超を占めた。時間帯では、午後2時台が最多。同3~4時台、午前11時台も多かった。年齢別は約5割が50歳以上。そのうち60~64歳が最も多く、45~49歳、50~54歳、55~59歳と続いた。
 厚労省は、22年の死亡事例の多くで、気温、湿度、放射熱を基に割り出した暑さ指数を把握せず、熱中症予防の労働衛生教育を行っていなかったと指摘。「休ませて様子を見ていたところ容態が急変」「倒れているところを発見」など発症時や緊急時の措置も適切でなかったとしている。