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26/04/10

新安全プラン、人不足見据えた対策重点

 国土交通省は1日、2030年度を目標年次とする事業用自動車総合安全プランを始動した。運送業界全体で人手不足や高齢化が課題となる中、健康起因事故や経験の未熟なドライバーの対策などに重点を置いたことがポイント。策定以来初めて、トラックで一般と軽貨物を分けた目標を設定し、細かな対策を講じる。
 目標では前プランで達成できなかった項目の数値を据え置き、現実的で着実に取り組める数値を設定。トラック・バス・タクシーを合わせた24時間死者数は225人以下、人身事故件数は1万6500件以下とした。唯一達成した重傷者数は過去5年間の総走行距離当たりの最低値を目安に設定し、全体で1740人以下の目標を掲げた。飲酒運転による事故は従来通りゼロ件とする。
 トラックでは09年の策定以来初めて、軽貨物を除く「トラック」と「軽貨物」で目標値を分けた。業界全体で190人以下に抑える死者数の目標のうち、トラックは175人以下、軽貨物は15人以下とする。人身事故件数(9100人以下)は、トラックが5800件以下、軽貨物が3300件以下とした。
 追突事故の削減を掲げたトラック独自の目標もそれぞれ数値を設定し、トラックは2380件以下、軽貨物は970件以下とする。軽貨物の事故件数が高止まりする中、削減にはこれまで以上に細かな対策が必要と判断した。
 新プランでは、自動車運送に関わる全関係者の行動変容、法令違反の根絶、新技術の開発・普及促進、少子高齢社会での事故防止対策の推進など六つの柱を掲げ、関連施策を重点的に取り組む。
 特に高齢化を踏まえた健康起因事故や、経験の未熟なドライバーの対策を強化するのがポイントの一つで、例えば、SAS(睡眠時無呼吸症候群)や脳血管疾患など従前から取り組んできた病気以外に、ドライバーを取り巻く環境を総合的に判断し、どんな対策が講じられるかを検討する。

若年層などの対応を手厚く

 若年層や外国人といった業務での運転が未熟なドライバーには、運送企業・運行管理者が適切な指導監督、運行管理を行えるよう啓発活動などを通じて後押しする。高齢ドライバーについても、事故の特徴や優良事例を普及させる。
 また新技術の開発・普及では、将来的な義務付けも視野に入れたデジタルタコグラフの強力な普及促進を検討。運行管理システムや先進安全技術の開発・普及も進める。他にも、遠隔点呼・自動点呼を活用して点呼を確実に実施させたり、ICTを使った効率的な監査を展開し、運送企業に法令順守を徹底させる。
 新プランでは策定後の進め方も見直し、必要に応じて計画の具体策の追加・修正も実施。外部要因による事故件数の変動影響や施策効果を適切に評価するため、総走行距離当たりの事故件数を使い、実態に即した分析なども行っていく。