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26/04/10

新総合物流施策大綱、5本柱で輸送力不足対応

 

 政府は3月31日、新たな総合物流施策大綱を閣議決定した。輸送力不足に対応できるよう、物流効率化や商慣行見直しなど五つの柱を掲げた。今後、有識者会合を立ち上げ、輸送力不足の対応状況を中心に、毎年度進ちょくを確認する。
 計画期間は2026~30年度の5年間。政府は計画期間の最終年度となる30年度までを「物流革新の集中改革期間」と位置付け、持続可能な物流を確保するための施策を展開する。
 自動運転トラックやモーダルシフトなどによる徹底的な物流効率化、商慣行の見直し、物流人材の地位向上と労働環境改善、物流標準化、国際情勢に対応したサプライチェーンの高度化・強じん化の五つを柱とした。
 徹底的な物流効率化では、30年度までに1000台の自動運転トラック導入を目標とし、特定条件下で完全自動運転を行うレベル4トラックを高速道路で早期に走行させる社会実装を推進する。大型トラック以外に、セミトレーラーでの自動運転実用化も見据えた実証実験を支援する。貨物駅、港、空港と円滑に連携できる体制、過疎地のラストマイルでの活用も検討する。
 自動運転に加え、鉄道、船舶、ダブル連結トラック、航空、新幹線を含めた「新モーダルシフト」も推進。鉄道・船舶の利用増に向けては大型コンテナ・シャーシの導入促進、コンテナ車両のけん引免許取得を支援する。航空では定期旅客便の空きスペース活用、冷蔵・冷凍施設の整備を推進。新幹線による貨客混載の取り組みも広げる。

受発注前倒し商慣行定着へ

 商慣行見直しでは、荷主・物流企業で連携した荷待ち・荷役削減を目指す改正物流効率化法の対応に取り組む。国は昨年4月から、全ての荷主・物流企業に受発注の前倒し、入出荷日時の分散、平面サイズ1100×1100ミリメートルの標準仕様パレット活用を促している。こうした取り組みを、物流の生産性向上と持続性確保に向けた新たな商慣行として定着させる。
 また、中小企業庁や公正取引委員会と連携し、適正運賃・料金収受を後押しするとともに、トラック・物流Gメンとの協力体制を構築する。
 人材の地位向上に向けては、特定技能ドライバーの優良事例の周知などを展開。物流標準化ではラストマイルで活用する配送伝票の記載情報、伝票番号の体系を標準化するため、官民の検討体制を立ち上げる。国際情勢では地政学的リスクへの対応に加え、荷主や物流企業との輸送実証で開拓したルートを周知するため、荷主、物流企業を集めたコンソーシアム(共同事業体)を発足させる。
 金子恭之国土交通相は3月31日の会見で「関係府省庁と連携し、大綱に基づく総合的な物流政策を強力に推進する」とした。