• 行政・業界団体

26/03/05

自動点呼、運送企業で活用広がり

 帰庫後の点呼を人の代わりにロボットなどが行う業務後自動点呼について、2023年に制度化されて以降、25年末までに貨物・旅客を合わせ、6400件以上の届け出があったことが国土交通省の調べで分かった。このうち、一般トラックと軽貨物が8割弱を占めた。業務前自動点呼の届け出も3000件弱あり、点呼でITを活用する動きが広がっている。
 自動点呼は、国が認定した点呼支援機器・システムを使用し、施設・環境の要件、運用上の順守事項などを満たせば、運行管理者の代わりにドライバーの点呼を行うことができる制度。23年、比較的管理をしやすい業務後点呼で制度化され、25年4月の告示改正後は業務前でも実施できるようになった。

効率化と正しい実施後押し

 国交省によると、貨物・旅客を合わせた業務後自動点呼の届け出件数は6452件(25年末時点)で、73・5%に当たる4742件が軽貨物を除く一般トラックだった。届け出を行った時期は23年度が860件、24年度が1519件なのに対し、25年は2363件と大幅に増加した。軽貨物は計299件だった。
 運送業では運行管理者の人手不足も深刻化し、自動点呼は労働負担を軽減しながら、正しい点呼を着実に行わせる効果が期待されている。国交省が導入企業にヒアリングしたところ、トラックでは「対面の場合、法定項目を全て確認し切っていないにもかかわらず、ドライバーが点呼終了と勘違いして退勤してしまう事象が発生していた。自動点呼は点呼項目が定まっており、確実に点呼を遂行できるようになった」との声が聞かれた。
 課題についてはアルコール検知器や体温計の不調で、自動点呼が行えないケースが発生することが挙げられ、「時間帯ごとにトラブル対応に当たる担当の運行管理者を決め、必ず1人は出勤している」と対策を講じる企業があった。

他社間含め遠隔も導入拡大

 一方、国の定める条件を満たすことを前提に、Gマーク(安全性優良事業所)取得企業などの「優良事業者」に認めていたIT点呼を、それ以外にも広げる「遠隔点呼」の活用も広がっている。制度開始以降、完全子会社を含めた同一事業者内で行う遠隔点呼の届け出件数は貨物・旅客を合わせ、計7372件。このうち、一般トラックは5111件で全体の69・3%を占めた。軽貨物も全体の1割強に当たる846件の届け出があった。
 また、異なる企業間でIT機器を使って点呼の受委託を認める「事業者間遠隔点呼」には昨年の制度化後、一般トラックで155件の届け出があり、旅客を合わせた合計の8割弱を占めた。
 国交省は今後、遠隔点呼、自動点呼を実施する企業からの問い合わせを集めた質問集や、導入・活用例を業態別、事業規模別に収集した事例集を作成し、運送企業でIT機器を活用した点呼をより広げていく考え。