- 行政・業界団体
25/12/23
グリーン物流PS、佐川などが国交相表彰 北海道で店舗納品見直し
国土交通省と経済産業省、荷主・物流業界団体でつくるグリーン物流パートナーシップ会議は8日、優良事業者表彰の受賞企業を公表。最優秀事例の国土交通相表彰には、北海道で宅配拠点とDXを組み合わせ、ドラッグストアの店舗納品を効率化した佐川急便などの事例が選ばれた。
日用品卸大手のPALTAC(パルタック)によるサッポロドラッグストアーへの店舗納品で、佐川の営業所をデポとして活用した。実施前は、パルタックの物流拠点(北広島市)から旭川市や釧路市、函館市などの各店舗に直接納品していたが、広大な北海道ならではの問題が発生。
各店舗が遠方のため、ドライバーの長時間労働につながり、積載率が低くても運ばなければならなかった。物流拠点の稼働時間の制約、納品店舗の組み合わせにより、無駄やむらのある運行が起きたり、運行実態の把握もできずにいた。
そこで各地にある佐川の営業所に目を付け、パルタックの物流拠点から各デポにトレーラーで輸送した後、別のトラックに載せ替えて店舗納品する仕組みに転換。物流拠点の稼働時間の変更、店舗側の荷受時間の緩和なども同時に進めつつ、佐川の車両に動態管理端末を搭載して運行を可視化することで輸配送の生産性を高め、トラックの走行距離と走行時間を2割以上削減した。
積載率向上と共同配送両立
一方、荷主主体の最優良事例に贈る経済産業相表彰には、荷台で段積み可能なマテハンを使い、効率的なチルド配送を実現した江崎グリコなど6社の事例を選出。同社は岐阜工場と厚木デポ(神奈川県)から車を出し、365日体制で静岡県内の得意先37件に夜間チルド配送を実施。毎日複数台のトラックを直送させなければならない上、コンテナ内は平置きで積載率が課題だった。
取り組みでは各車両が直送する形を見直し、卸のサンライズグランドフーズの物流拠点に納品した後、静岡県内で共同配送を行う仕組みを導入。納品ではパレットの2段積みが可能な資材を使用し、上部の無駄な空間を埋めて積載率を高めた。 商品は前もって得意先単位でピッキングして届けることで、物流拠点での作業工程を減らし、効率を高めた。大幅な労働時間の削減、積載率の向上などに成功した。