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25/12/23

運輸事業振興助成法 、8会派が改正案を提出 5年間の継続盛り込み

 運輸事業振興助成交付金の継続を盛り込んだ議員立法が15日、衆議院に提出された。成立すれば、旧暫定税率を廃止した後も、制度を5年間継続できる見通しだ。閉会のため法案は継続審議となり、来年の通常国会での成立を目指す。
 同日に、自民、立憲民主、日本維新の会、国民民主、公明、れいわ、共産、有志の会の8会派が共同で、運輸事業振興助成法改正案を提出した。施行日は旧暫定税率が廃止される来年4月1日とした。
 旧暫定税率に関する条文を削除し、廃止後も交付金制度を維持できるようにする。法律の効力は2031年3月31日。効力失効後も経過措置を設け、貨物輸送の安全確保や環境対策の事業に交付済みの交付金を使用できることを盛り込む。
 交付金は1976年、軽油引取税に暫定税率が加算されたことを機に、運輸業界への影響を抑えるため、通達で創設。輸送の安全確保や環境負荷低減、業界の適正化、災害対応などの目的で使われることを前提に、都道府県から各トラック協会・バス協会に交付し、2011年に法制化された。
 交付金は安全や環境、適正化などのさまざまな活動、支援に充てられる重要な財源となっている半面、旧暫定税率の廃止で今後の行方が不透明になったことから、業界は継続を強く要望。全日本トラック協会の寺岡洋一会長は4日の理事会で、「交付金が維持できなければ、47都道府県のトラック協会や全ト協は崩壊してしまう」とし、交付金の必要性を改めて求めていた。
 政府も交付金の必要性に理解を示し、片山さつき財務相は同日の全日本トラック事業政治連盟の政経懇談会で「来年度の予算編成でしっかり確保する」と説明していた。