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25/12/09
国交省、白トラ違法利用で処罰 来年4月施行
国土交通省は来年4月1日、改正貨物自動車運送事業法に基づき新たな規制を施行する。荷主などが自家用トラック(白ナンバー)で有償貨物運送を委託した場合、処罰の対象に加える。悪質な取引を防ぎ、トラック業界の健全化につなげる。
新規制は6月に成立した適正化二法を受けた措置。政府は11月21日、改正貨物自動車運送事業法の施行に伴う関係政令を閣議決定した。適正原価の導入、事業許可更新制を含め複数の施策を段階的に施行する計画で今回は第1弾になる。
白トラックは自社の荷物を運送することのみ認められ、それ以外の荷物を運ぶことは禁じられている。一方、荷主の中には白トラックに運送を頼むケースもあるとされ、健全な競争の妨げになっていた。新たな規制により、違法な運送委託の疑いがある場合、国交相が改善の是正指導を行う。再三の指導にも応じない場合は100万円以下の罰金を科す。
また来年4月以降は、多重下請け構造を是正するための新たな制度も導入。貨物自動車運送事業者と貨物利用運送事業者に対し、運送再委託の回数を2回以内まで抑える委託次数制限の努力義務を課す。運送契約締結時の書面交付などの対象も見直し、利用運送事業者に義務付ける。
金子恭之国交相は11月25日の会見で、関係者への改正法の周知を徹底するとともに、今後予定される適正原価制度の導入や事業許可更新制の準備を進め、「業界の健全な取引の実現、ドライバーのさらなる賃上げを図っていく」とした。