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25/11/21

コンソーシアム「バトン」、企業横断型の中継輸送 26年2月に実証開始

 物流企業など8社と東京海上ホールディングスでつくるコンソーシアム(共同事業体)baton(バトン)は2026年2月、企業横断型の中継輸送の実証運行を開始する。効率的で持続可能な物流の構築を目指す。
 西濃運輸と福山通運の2社間で藤沢・厚木―堺、名鉄NX運輸とトナミ運輸の2社間で東大阪―葛西で、それぞれドライバー交替方式による中継輸送を実施する。
 約2カ月の実証期間中、実際の輸送現場で、バトンが策定したリスク負担に関する指針や、運用ルールに基づく車両の合流・荷役・運行の一連の流れを検証する。知見の蓄積と実務上の課題の洗い出しを行い、社会実装に向けたさらなるルール整備・体制構築を検討する。
 バトンは2024年11月、今回実証を担う福通、名鉄NX、トナミと西濃の親会社セイノーホールディングス、第一貨物、トランコム、新潟運輸、ハコベル、東京海上HD、東京海上スマートモビリティ、東京海上日動火災保険の計11社で発足した。物流需給ギャップの解消策の一つとして企業横断型の中継輸送に着目し、企業・業界の垣根を越えて連携し、検討してきた。
 参画する運送事業者が保有する約1万3000便の運行データを集約・分析した。全国の幹線ルートの中から、中継輸送を導入することでより効率的な物流を実現できる路線を選定した。また、企業間のリスク負担に関する指針を策定し、各社の運用の擦り合わせを行った。
 同実証の検証を経て、対象路線の拡大を図る。中継輸送用の共通データベース、複数の輸送便を組み合わせる仕組みや各企業が使用できるアプリケーションの開発を検討する。
 さらに、新たな取り組みとしてドライバーの労務環境・健康状態の改善を目指し、四つの分科会活動を本格化する。

各分科会の概要