- 荷主
25/10/30
アスクル、手作業による出荷トライアル開始、WMSの復旧めど立たず
アスクル(本社・東京都江東区、吉岡晃社長)は10月29日、ランサムウェア(身代金要求型ウイルス)感染に起因するシステム障害からの復旧に向け、一部商品の出荷トライアル運用を開始した。 新木場物流センター(東京)とアスクル大阪DC(大阪市)の2拠点からの出荷を一部再開する。対象は、コピーペーパー、ペーパータオル、トイレットペーパー、ゴミ袋など37アイテム。すべて箱単位のみ受け付ける。倉庫管理システム(WMS)を使わず手作業で出荷する。
医療機関や介護施設を含む一部のBtoB顧客からのファックス注文のみを受け付ける。通常時のサービスレベルとは、異なる配送期間となる。今後、運用を確認しながら対象顧客と商品数を拡大する。
同社は10月19日にランサムウェア感染によるシステム障害が発生。現時点で個人情報等の流出は確認されていない。WMSの復旧スケジュールは未定。ASKUL LOGISTが運営する良品計画向けの3PL事業の出荷業務は、WMSを使用しているため、今回の出荷トライアル運用の対象外となっている。
吉岡社長は「限定的な対応だが、復旧に向けた重要な一歩と位置付けている。安全性を確認しながら、全社一丸となり完全復旧に取り組む」とした。