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25/10/27

三菱ふそう、水素駆動大型トラック2種をモビリティショーで世界初公開

 三菱ふそうトラック・バス(本社・川崎市、カール・デッペン社長兼CEO)は10月30日~11月9日、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催される「ジャパンモビリティショー2025」で、水素駆動の2種類の大型トラックコンセプトモデルを世界初公開する。
 水素エンジン搭載の大型トラック「H2IC」は、圧縮水素ガスを内燃機関で燃焼させて駆動する。特に高い出力が必要な建設用車両などの用途に適するという。また、ディーゼルトラックと共通の部品や技術を流用し、水素車両への移行の円滑化につなげる。
 液化水素搭載の燃料電池大型トラック「H2FC」は、燃料電池システムが水素を電力に変換し、電気モーターを駆動させて走行する。圧縮水素ガスより密度が高い液化水素を使用することで、最大1200キロメートルの航続距離を実現する一方、15分以内で充てん可能。ディーゼル車と同等サイズの架装で積載スペースが確保できる。
 また、搭載する液体水素タンクは、国内初のサブクール液体水素充てん用。ダイムラートラックがリンデ・エンジニアリングと共同開発した充てん技術で、タンク内のボイルオフガス(蒸発した水素ガス)を再液化し、同ガスの排出が不要。水素ステーションの設備も大幅に簡素化できるという。
 三菱ふそうは岩谷産業との共同研究で同技術の国内での確立を目指す。水素が持つ高いエネルギー量という特性で、重量物運搬や長距離輸送を伴う商用車のカーボンニュートラル化を図る。

水素エンジン搭載大型トラック「H2IC」と、液化水素搭載燃料電池大型トラック「H2FC」