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25/10/21
中央回廊、アクタウ港で長期滞留 冬の強風で荷役・船影響
日本から中国とロシア周辺の国を通過し、欧州に向かう中央回廊。国の輸送実証で、冬場にカスピ海周辺で発生する強風により、カザフスタンのアクタウ港で荷役作業停止、船の出発延期となることが分かった。実証に参加した企業から「長期滞留につながっている」との声が上がった。
国土交通省が10月9日に開催した情報共有会合で、昨年度、中央回廊を活用した国の輸送実証に参加したグリーンワールドグループロジスティクス(GWGロジ)、東洋トランス、豊田通商が課題として挙げた。
GWGロジは2024年12月以降、福岡からドイツのハンブルク、トルコのイズミットへ生活雑貨を輸送。どちらもアクタウ港で積み替え待ちになり、当初7日間を見込んでいたがドイツ向けで29日間、トルコ向けで41日間に及んだ。「ボトルネックとなっている」(島貫泰嘉GWGロジ課長代理)。
豊田通商は24年11月~25年3月、名古屋からトルコのコジャエリへ自動車部品を輸送した際に、強風のため予定した同港での荷役作業が取りやめに。積み替え待ちは当初2日間を見込んでいたが29日かかり「リードタイム延長になった」と同社グローバル調達グループの沢田あす香課長補。
東洋トランスも24年12月~25年5月に横浜からイタリアのミラノへ化学品を運んだ際、冬の強風の影響を受けた。同港で23日間の積み替え待ちとなった。