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25/09/23
自民党倉庫議連、加藤財務相に支援要望 備蓄米の逸失保管料で
自民党の物流倉庫振興推進議員連盟(浜田靖一会長)は9月17日、政府備蓄米の緊急出庫で定温倉庫会社が収受できなかった逸失保管料について、1万トン当たり月額750万円の支援措置を、加藤勝信財務相に要望した。
備蓄米の急な放出により、定温倉庫は突然保管貨物を失い、収入の激減に直面にしている。定温倉庫が他の民間貨物の保管にシフトすれば、将来の買い戻しの際、米の保管ノウハウを持つ倉庫を新たに確保することは簡単ではなく、政府の安定的な食糧備蓄政策に支障を来しかねない。
支援措置を巡っては、全国定温倉庫協同組合の太宰栄一理事長が5月28日の倉庫議連の総会で、備蓄米の緊急放出により、全国で34万3802平方メートルの倉庫で保管貨物がなくなり、その分の保管料が収受できなくなったことを指摘。倉庫議連は同日の総会で緊急決議し、所管する農林水産省に緊急支援を講じるよう求めていた。
だが、その後も農水省による支援が行われることはなく、各省庁の予算を査定する財務省に要望を行うことにした。浜田会長は「加藤財務相から要望の理解を得られ、前向きな対応を検討するとの話があった」とした。
備蓄米は通常、大規模災害や著しい不作時のみ出荷するルールで、低温倉庫会社は通常4~5年の備蓄保管を前提に入庫を受け入れている。一方、政府は3月の緊急放出決定後、2~3カ月の保管ペースで出庫し、5月末時点で在庫96万トンのうち61万トンを放出した。

要望した自民党倉庫議連の浜田会長(左から2人目)らと加藤財務相(同3人目)