• 物流企業

25/09/05

三菱倉庫、不動産事業で米国に初進出

米テキサス州の賃貸集合住宅のバリューアッド事業に参画する

 三菱倉庫(本社・東京、斉藤秀親社長)は不動産事業で米国に初進出する。資産回転型ビジネスの一環で、グループの米国三菱倉庫が丸紅の米国子会社と共同事業契約を締結し、米テキサス州の賃貸集合住宅のバリューアッド事業に参画する。
 物件の所在地は、テキサス州ベンブルック市。総戸数248戸の賃貸集合住宅で、2004年にしゅん工した。本年度からリノベーションを開始し、賃貸物件として運営後、2~5年をめどに売却する。
 約3000万ドルを出資する。事業比率は、米国三菱倉庫50%、丸紅の米国子会社50%。
 三菱倉庫は2031年3月期を最終年度とする経営計画(2025―2030)で、物流と不動産の両輪による成長とさらなる海外事業の拡大を目指している。米国では1970年代から物流事業を行ってきたが、今後は不動産ビジネスも積極的に展開する。
 バリューアッド事業は、既存建物に対してリノベーションによるハード面改善と運営見直しによるソフト面改善を行い、収益性を高めて不動産価値を向上させることで売却時に差益を獲得する事業。建て替えによる二酸化炭素排出や廃棄物を削減するビジネススキーム(枠組み)で、環境に優しい取り組みとしても注目されているという。