- 物流企業
25/08/26
三菱倉庫、系統用蓄電池事業に参入 埼玉・神奈川で「電力倉庫」展開
三菱倉庫(本社・東京、斉藤秀親社長)は2027年度中にも、系統用蓄電池事業に参入する。埼玉県と神奈川県を手始めに大規模な蓄電池システムを導入し、電力市場での取引を通じて電力系統の安定化や効率化に寄与する。
電力を充放電することで電力系統の安定化や効率化を図り、特に再生可能エネルギーの変動を平準化して電力の需給調整に寄与する。自己資産を活用しながら長期的に環境や社会に貢献できる事業として参入を決めた。
同社所有地と一部借地に大型蓄電池を設置し電力系統に接続、電力市場で電力取引を行う。施設の保守・管理は、データセンター対応ビルなどの運営で培った大容量電力設備の取り扱いノウハウを生かし、同社グループ会社が行う。事業期間は各物件とも蓄電池の耐用期間に相当する20年間を想定。
第1弾として27年度中にも埼玉県本庄市に「児玉電力倉庫」を稼働開始する。敷地面積約900平方メートル、定格出力約2メガワット、定格容量約8メガワット時。次いで30年度中にも横浜市に「港北電力倉庫」を稼働開始する。敷地面積約1万3000平方メートル、定格出力約85メガワット、定格容量約340メガワット時。いずれもリチウムイオン電池を使用する。合計出力は約350メガワット時で、1日1サイクルの充放電をした場合、一般家庭約4万世帯の1日の使用量に相当するという。2カ所の投資額は計約200億円。
さらに、他県5カ所で事業展開を計画しており、7カ所での合計容量は約700メガワット時となる見込み。同事業を電力を蓄えたり出し入れする「電力倉庫」と名付け、昨年11月に商標登録した。

完成イメージ