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25/08/14
トラック労基法、昨年厚労省の立ち行り調査で2786事業場が違反
厚生労働省が昨年立ち入り調査を行ったトラック企業のうち、8割以上で労働基準法関連の違反が見つかった。改善基準告示も6割弱が違反していた。
法令違反の疑いがあるとして昨年、全国の労働基準監督機関が立ち入りを行ったトラック企業の数は3424事業場。そのうち労働基準関連で法令違反を犯していたのは2786事業場で全体の約81・4%を占めた。違反項目で最も多かったのは、労働時間超過で44・0%。割増賃金の未払いは21・3%、時間把握違反は6・7%だった。
改善基準告示違反は、立ち入り事業場の58・2%(1994事業場)。最大拘束時間違反が43・2%で最多。休息時間が32・4%、総拘束時間が30・2%、連続運転時間が28・2%、最大運転時間が19・0%だった。依然としてバス・タクシーより違反理が高い状態が続いている。
厚労省は2004年以降、監督指導を行っても改善せず、悪質な労基法違反を犯す運送企業の対策を強化している。国土交通省との相互通報制度や合同監査も進め、昨年は重大で悪質な労基法関連違反が認められたとして、トラックでは42件を書類送検した。
送検された内容は、安全基準違反が18件、労働時間が14件、最低賃金の効力7件、賃金の支払いが6件だった。違法な時間外労働を行わせ送検された事例では、ドライバーの脳血管疾患に関する労働災害申請を機に、立ち入り検査を行ったところ、長距離ドライバーの1人が36協定を超えた長時間労働をしていることが発覚した。
厚労省はあらかじめ情報収集をした上で、立ち入りを行っており、調査では違反率が高い傾向がある。一方、ドライバーの労働環境改善が急務となる中、同省は引き続き労基法関連の対策を強化していく方針だ。