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25/07/15

標準宅配便運送約款、効率化へ「置き配」明記 非対面受け取り明確化

 国土交通省は秋以降、標準宅配便運送約款を改正する。荷物の受け取り方の一つとして置き配を明記する。従来、置き配を含む非対面の荷物の受け取り方の定義があいまいだった。明確化で、宅配業務の効率化を後押しする。
 宅配便約款11条には、同居人など荷受人以外に荷物を渡す場合のルールについて、対面受け取りは配達先が住宅の場合として明記してある一方、置き配など非対面の受け取りについては明確な記載がなされていない。
 だが、コロナ禍を機に置き配が普及し「対面での受け取りが当たり前でなくなった」と国交省。昨年行った再配達削減に向けたポイント還元実証事業では、置き配により最大3・1ポイント、再配達率が減少しており、国交省は一定の効果があったとみている。
 再配達は宅配ドライバーの労働負荷を大きくしており課題だった。対策として不在時に荷受人の同意を得て、非対面で荷物をどう渡すか、国の考え方を明示するよう求める声が出ていた。

盗難や個人情報対策も検討

 国交省は6月26日、宅配便約款改正に向け有識者検討会を立ち上げた。宅配会社、通販会社、不動産団体などが参加。置き配など非対面の受け取りを普及させる上で課題となる盗難、個人情報対策、温度管理、カラスや猫による食品被害の防止策も検討する。
 今後、3回の会合を行い、秋ごろには取りまとめを行った後、宅配便運送約款を改正する。置き配など非対面か、対面かで宅配料金額に差を付けるかについては「宅配各社の判断」(国交省)とし、宅配便約款には記載しない方針。