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25/06/30

日鉄物流、荷役効率3割向上の「RORO船「そうめい」運航開始

 日鉄物流(本社・東京、米沢公敏社長)は6月28日、北九州―堺航路で運航する鉄鋼専用RORO船「そうめい」の運航を開始した。老朽船の更新と併せ、新技術の導入により積載効率と荷役能率を約3割高め、環境負荷の軽減も実現した。
 全長91・72メートル、幅16・80メートル、載貨重量2150トン、速力13・3ノット。最大の特徴は、積載重量60トン・総重量70トンのロールトレーラーと、一度に3台(210トン)を昇降できる大型エレベーターの採用。二層式の貨物艙構造と合わせ、高い積載能力を確保した。荷役効率は毎時230トン。
 環境配慮では、瀬戸内海固有の潮流・潮汐データを活用した高精度運航支援システムを導入。定時運航を支援しながら航海中の燃料消費を低減する。
 安全性向上のため、艙内構造の高強度化で無柱化を実現し、作業時の視認性を向上。日本製鉄の高延性厚鋼板「NSafe-Hull」を一部に使用し、衝突時の燃料油流出や海水流入を防止する。
 船員の働き方改善にも配慮し、かじやプロペラなどを一括制御する操船支援システムで労働負荷を軽減。女性船員が活躍できるよう、居室にシャワーとトイレを設置した。
 同事業は経済産業省資源エネルギー庁と国土交通省海事局の補助事業「高能率荷役システムを導入した小型RORO船の省エネ実証事業」に採択されている。

                  新RORO船「そうめい」