- 物流施設
25/06/06
賃貸型冷凍・冷蔵倉庫、27年新規供給46万㎡ CBRE調べ
不動産サービスのシービーアールイー(CBRE)によれば、2027年のマルチテナント型冷凍・冷蔵倉庫の新規供給面積は46万平方メートル超で、24年実績の4・2倍となる見通し。流通や関連する物流3PL企業でニーズが高く、市場拡大に向けては、人口集積地への供給を前提とした配送・作業の効率性に加え、賃借面積の柔軟性が鍵になるとしている。
首都圏、近畿圏の湾岸部を中心としたマルチテナント型冷凍・冷蔵倉庫の開発は、コロナ禍を機に拡大。新規供給は、24年の11万2200平方メートルから27年には46万5300平方メートルとなる。
CBREは、特に冷凍食品の流通型倉庫のひっ迫を挙げる。国土交通省の調べでは、23年の冷凍倉庫の入庫高はトン数ベースで11年比28%増。品目別では冷凍食品が63%増と顕著だ。容積勝ちの冷凍食品の伸びが大きいことから、「不足しているのは販売用の商品を扱う流通型の倉庫」CBRE。
一方で、テナントニーズと実際の施設のミスマッチも指摘する。同社の独自調査で冷凍・冷蔵倉庫の利用形態についてテナントに尋ねたところ、24年調査では「賃貸」が最多の31%だったが、25年調査では「所有」の要望が37%と最多に。「賃貸型冷凍・冷蔵倉庫のスペックがユーザーのニーズに合わないケースが少なくない」とする。
流通型倉庫では、配送と作業の効率、具体的には立地はもとより、自動化装置に対する天井高や床面積、バース数、輸入コンテナ搬入対応といった条件が求められ、こうした条件にかなう賃貸型倉庫は現状では少ない。CBREは「ニーズに合致した開発が利用拡大につながる」とした上で、賃貸型倉庫のメリットである賃借面積の柔軟性を挙げ、新規開発物件が区画分けされ、必要な面積だけを賃借できる設計であることも普及に不可欠としている。