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25/05/27

自動物流道路、11月から走行実証開始 茨城の国総研施設で

 国土交通省は11月から、高速道路の中央分離帯や地下空間などを使って荷物を輸送する「自動物流道路」の実証を行う。まずは、国土技術政策総合研究所のトンネル(茨城県つくば市)で、トラックと荷物を搬送するカートを走行させる。カートの車線変更や、指定場所での無人荷役機器によるカートへの荷積み、トラックからの荷降ろしを検証する。
 自動物流道路は高速道路地下にトンネルを建設したり、路肩や中央分離帯を活用し、カートに荷物を自動で輸送させる構想。人はカートと荷物の管理のみ行う。国交省は3本のレーンを設置した上で、左右外側は輸送用、中央はカートを留め置くような仕組みを想定している。
 実証場所のトンネルには車幅7メートルで、勾配や段差がある。カートが車線変更や停止できるか、無人荷役機器からカートへの荷積み、トラックからの荷降ろしができるか、積み降ろしに十分な道路面積かを検証する。既存のAGV(無人搬送車)、空港のけん引トラクター、自動配送ロボットをカートとして活用する。
 トンネルには100ボルトと200ボルトのコンセントが50~100メートル間隔であり、それらを活用し、トンネルでの落下物発生などをカートに通知できるかも確認する。

物流企業などと事業体発足

 国交省は8月までに検討項目を決定し、8月上旬~9月上旬に参加企業を公募。11月~来年2月まで実証する。実証で課題を明確にし、その解消に向け、2027年度には建設中の新東名高速道路の新秦野インターチェンジ(IC)―新御殿場IC間で実証する。30年代半ばには、一部区間で自動物流道路の運用を目指す。
 また国交省は5月16日、自動物流道路のルートなどを検討するコンソーシアム(共同事業体)を発足した。コンソーシアムには、西濃運輸や福山通運、ヤマト運輸、アマゾンジャパン、花王など計79社が参加している。
 同日の会合で、中野洋昌国交相は「社会の役に立ち、(物流企業や荷主に)利用してもらえるよう参加者と知恵を出し合い議論する必要がある」とした。