- 物流企業
25/05/13
西濃、危険運転自動検知でAI活用 6月までに全188拠点約1万台導入
西濃運輸(本社・岐阜県大垣市、髙橋智社長)は6月までに、ドライブレコーダーに記録された動画をAI解析するシステムを全188拠点で導入する。AIが危険運転を自動検知し、安全管理担当者は短時間で危険な箇所だけを確認可能でとなり、大幅な時間短縮と事故率低減を目指す。
導入するシステムは、米ティーティスが開発したAI技術「アクレス」。独自の大規模視覚言語モデルと2000時間の商業車両の運転映像データで危険運転の高精度な自動検知を実現した。また、システムのインストールやドライブレコーダーの入れ替えが不要ですぐに利用可能。
西濃は従来、運転事故をなくすためドライバーの運転実績を目視でチェックし運転指導に活用しているが、人に依存し労力やチェック精度の平準化に課題があったことから、AI技術活用を検討していた。解析品質や出力機能の豊富さが選定の決め手になった。
ティーティスと共同で西濃の2店舗でトライアルを実施し、シートベルト着用や脇見、居眠り運転、姿勢制御をAI分析し、ドライバー1人当たり少なくとも月30時間の時間短縮につながった。安全管理担当者によれば、取りこぼしや誤検知はなく、人が気付かない点もチェックしていたなどチェック制度の高さも証明されたという。結果を踏まえ、4月以降、国内全拠点への約1万台の導入計画を進めており、6月に全拠点での導入を完了する。
西濃運輸は今後、同社の安全指導のノウハウをアレクスに学習させ機能強化する。さらに、安全・運転事故削減につがなるツールとして物流業界全体で活用できる仕組みに発展させることも検討する。