• 統計・データ

25/04/07

トラック運転手の働き方改革、労働時間減も荷待ち減らず輸送力に懸念

 2024年はトラックドライバーの労働時間は短くなったものの、ドライバーの長時間労働の是正に向けて求められる荷待ち・荷役時間の削減が進まず、輸送力不足の懸念が大きい。賃上げも不十分という。SOMPOグループのシンクタンクSOMPOインスティチュート・プラスが、各種統計や独自アンケートで確認した。 厚生労働省が毎年6月に調査する賃金構造基本統計調査によれば、年間実労働は道路貨物運送業で2364時間で、23年から3・4%減少。過去5年間で初めて2400時間を下回った=グラフ1
 同じく賃金構造基本統計調査によれば、24年の年間所得額は459万円、所定内時給換算額は1900円。全産業平均よりも年間所得は13%、所定内時給換算額は26%低く、23年から24年にかけた上昇率はそれぞれ0・9%、3・5%と、国が目標に掲げた年6~13%には届かなかった。 また、荷役・荷待ち時間の削減では、政府の「物流革新に向けた政策パッケージ」で2時間以内の目標を掲げたが、国土交通省資料によれば、20年度の3時間3分に対し24年度は3時間2分とほとんど改善していない。一方で、運転時間は49分短くなった。