• 行政・業界団体

25/03/18

国交省、異なる企業間で遠隔点呼 受委託可能な対象広げ

 国土交通省は遅くとも2025年の夏までに、事業者間遠隔点呼を制度化する。これまで先行実施した結果を踏まえ、導入できると判断した。点呼告示の改正などの手続きを経て、本格的に解禁する。
 国交省は13年から、資本関係のない企業間で点呼を行う「受委託点呼」を導入している。一方、実施にはGマーク(安全性優良事業所)の取得や、対面点呼を行うなどの要件があった。新たな制度は遠隔点呼の枠を広げ、異なる企業間でIT機器を使った点呼の受委託を可能にする。
 23年度以降、国交省は貨物・旅客で企業間遠隔点呼を先行実施。今年1月までに業務前点呼を中心に2万3000回以上が行われ、安全確保などで大きな問題が起きなかったことから、制度化できると判断した。3日に行われた有識者作業部会で委員も了承した。
 遠隔点呼と同じく、導入には機器・システム、施設・環境、運用上の順守事項で定める要件を満たすことが必要になる。特に運用上の順守事項では、遠隔点呼から要件が追加される見込みで、例えば、点呼を受託する営業所の運行管理者と委託する営業所の運行管理者は連絡先を共有し、常時連絡できる体制を整えることが求められる。
 また、1カ月以上事業者間受委託点呼のみを行い、運行管理者と対面しないドライバーには、1カ月に1回程度は直接会話し、健康状態の把握や運転指導に努めることも盛り込む。点呼でドライバーの健康状態を確認する際、当日の体温・血圧などのバイタルデータの測定結果を、平常時の値と比較して判断することが望ましいことの明記も想定している。