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25/03/12

千葉・東庄町、線路超えドローンで危険物輸送「国内初」飛行実証

 千葉県東庄町は2月中旬までに、物流ドローンが線路を超えてガソリンを輸送する実証実験を同町で実施した。国内では初めて線路の上空を横断し、危険物の輸送を行った。航空法の承認要件を満たすドローン物流の枠組みを構築し、地域課題解決を目指す。

荷降ろしする物流ドローン(東庄病院前)

 同町内で「東庄町ドローンパーク」を運営する国際ドローン協会(榎本幸太郎代表理事)と共同の取り組み。2月5日、災害で道路などが寸断された状況を想定し、東庄町役場から町内の病院まで発電機とガソリンをドローンで輸送した。
 町内のJR線路上空を横断して約5分で目的地に到達し、ホバリング状態からウインチで狭小スペースでの荷降ろしを実証した。また、リアルタイム監視システムで飛行中のドローンの位置や状況を監視した。

 東庄町は面積46・25キロ平方メートル。人口1万2607人(2025年1月1日現在)で、高齢化率は41%。2020年度に閉校した旧東城小学校の敷地の有効活用として、国際ドローン協会がドローン活用を通じた地域活性化事業を提案。これまで、町役場と町内のすべての避難所・災害物資保管倉庫を結ぶドローン空路計8ルートを構築している。
 今回の実証実験は24年12月~25年2月の期間中に計3回、食料品の配送、災害時の物資輸送、買い物弱者支援についてそれぞれ検証した。