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25/03/10

日野自、海コントレーラーの運行自動化へ北海道苫小牧港で実証

 日野自動車(本社・東京都日野市、小木曽聡社長)は1月、海上コンテナトレーラーの自動運行の実証実験を北海道苫小牧港で実施した。苫小牧栗林運輸、三井E&Sと共同で、港湾の労働環境改善に取り組む。運転補助機能付き車両を一元管理システムからの作業指示で運行させることで、ドライバーの負担軽減や港湾作業の安全性向上を目指す。
 船から降ろしたコンテナを蔵置場所へ、また蔵置場所から船積み場所まで運搬する横持ちトレーラーの運行の高度化に向けた実証実験。大型トラック「日野プロフィア」にGPSやリモートセンシング技術、白線検知カメラなどを搭載し、ターミナル運営システム・車両管制システム・車両データを連携した。各機能・システムを複合的に活用し、車両位置のリアルタイムでの把握やクレーンなどの港湾資機材との円滑な連携を図る。

クレーンによるコンテナ積み降ろしで、所定の位置に停車するトレーラー

 同実証は1月11~13日、国土交通省の港湾技術開発制度「コンテナヤード内横持ちトレーラー運行の高度化に関する技術開発」として、苫小牧国際コンテナターミナルで実施した。3社は2025年度、同実証で洗い出した課題の改善、車両・システム連携技術の開発・改善に引き続き取り組む。
 港湾での車両運行は現在、ドライバーが紙の指示書に基づいて行っている。また、ドライバーの残業上限規制に伴う物流2024年問題を起点に港湾の労働力不足が深刻化する中、地方港では作業者の高齢化も進み、労働環境の改善、安全性の向上、次世代を担う働き手の確保が課題となっている。

        運転補助機能付き車両と各種システムを連携して運行する