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25/01/27
厚労省、2万件弱に配慮要請 長時間の恒常的荷待ちで
長時間の恒常的な荷待ちを防ぐため、2022年12月~24年11月の間、厚生労働省が荷主・元請けに1万8000件以上の配慮要請を行っていたことが分かった。昨年4月の改正改善基準告示の適用に合わせ、同省は業務発注先の商慣習見直しに取り組んでおり、要請された企業では改善も進んでいるようだ。
厚労省は22年12月、各都道府県の労働局に「荷主特別対策チーム」を発足。立ち入り調査などで長時間の恒常的な荷待ちを確認した際、発生させないように努めることを要請するとともに、運送業務発注担当者に改善基準告示を周知している。同省によると、約2年間で1万8256件の配慮要請を行った。
要請に法的拘束力はないが、配慮を求められた荷主・元請けの改善は進んでいるようだ。ある食料品製造企業は要請後、発送当日に行っていた箱詰め作業を前日に前倒し、工場全体の発送便の荷待ちを1日当たり約2時間削減。運び方も見直し、運送企業の集荷回数を約2割減少した。
化学工業品を扱う企業は、運転時間を短縮するための配送ルートの見直しや、余裕ある運行のために到着時刻を変更。高速道路も利用したという。
改善基準告示は、ドライバーの拘束時間や休息期間などを定めている。一方、長時間の荷待ちが発生すると順守が難しくなり、運送企業の自助努力で商慣習を改善することができないことから、関係省庁と共に厚労省も対策に乗り出していた。