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24/12/24
国交省・宅配調査、10%超で「再配達」・政府目標達成は遠く
国土交通省によると、大手宅配3社が10月に配達した宅配便のうち、再配達の割合は前年同月比0・9ポイント減の10・2%だった。コロナ禍で在宅の多かった2020年4月の調査を除き、17年10月の調査開始以来、最少の数値となった。宅配会社が独自の置き配サービスを開始したことが奏功した。
調査はヤマト運輸、佐川急便、日本郵便から、都市部(東京23区)、都市部近郊(都内の市)、地方(人口密度の低い都道府県の市)の配達データを聞き、集計した。
3社が対象エリアで配送した計256万1405個のうち、26万990個が再配達だった。最も減少したのは都市部近郊(9・6%)と地方部(8・1%)で同1・1ポイント減。都市部は同0・5ポイント減の11・6%で、減少率が都市部近郊や地方部の半分にとどまった。
国交省によると、ヤマトや佐川が、調査期間の10月より前に、一部利用者向けの置き配サービスを開始したことが大きかったという。同省が14年12月に行った労働損失の計算を参考に、本紙が労働損失を試算したところ、再配達に費やした宅配ドライバーの労働時間は5150万時間で、約2万5720人分の労働損失に相当。昨年の同じ時期(約6万950人)の約3分の1だった。
消費者の理解得られるか鍵
政府は昨年10月に策定した物流革新緊急パッケージで、今年度中に再配達率を6%にする目標を設定している。現状について、国交省は「再配達削減に対する消費者の理解をどこまで得られるかが鍵」とする。
国交省は来年4月を、今年と同様に「再配達削減PR月間」とする計画で、消費者への理解促進を図る。
今年10月からは、再配達削減に協力する消費者にポイントを還元する実証事業を実施しており、効果を見ながら他の施策も検討する。