• 物流企業

24/12/19

日商など、人手不足対応事例集で山形陸運の働き方改革事例を紹介

 日本商工会議所(小林健会頭)と東京商工会議所(同)はこのほど、人手不足への中小企業の対応事例集「求められる『少数精鋭の成長モデル』への自己変革 3つのチャレンジ事例集」を発行し、その中で山形陸運(本社・山形市、佐藤公啓社長)の働き方改革の事例を紹介した。
 事例集は、深刻な人手不足に対する中小企業19社の取り組みを紹介。山形陸運の事例は、働き方改革と従業員の健康確保をする健康経営の取り組みだ。
 働き方改革では、運転日報や基幹業務に関して独自システムを開発するとともに、ドライバーの事務作業を本社に新設した事務センターに集約。ドライバーが行う作業は運行記録・勤怠登録のみとなり、従来行っていた紙ベースの運転日報作成や営業所での事務処理が不要となることで、労働時間削減に大きな効果があった。また、経験豊富なドライバーを配車担当に配置転換し、従来事務職が行っていた場合よりも効率的な配車が可能となり、配車担当の残業は月50~60時間程度削減された。
 健康経営の取り組みでは、システム導入による効率化や意識改革により休日が年間89日から110日に増加。年次有給休暇取得率は2015年の6・6日から23年には18・3日に増えた。さらに、残業代を目的する長時間労働に対応して、固定給を重視した賃金制度に改正した。腰痛防止用ベルトや熱中用対策ヘルメット、ファン付き作業服など身体負荷を軽減するさまざまなツールの配布、同社全額負担によるがん検診も実施した。
 佐藤社長は「会社が積極的に社員の健康に関与し、病気を防ぎ社員を守ることが、本人や家族、ひいては会社のためになる」とコメントした。
 事例集のURLは、https://tokyo-cci.meclib.jp/threechallenges/book/#target/page_no=17