• 統計・データ

24/11/26

荷待ち・荷役時間の完全可視化まだ1割

 物流業界の荷待ち・荷役作業時間の完全可視化は1割にとどまっていることが、ウイングアーク1st(本社・東京、田中潤社長)のアンケート調査で分かった。運送業で働く人の41・4%が人手不足・人員体制を理由に退職を視野に入れた経験がある一方、48・7%がデジタル化による問題解決に期待していないことも分かった。
 荷待ち・荷役時間について「完全に可視化されている」は10・4%、「一部のみ可視化されている」は30・4%、「ほとんど可視化されていない」は26・5%、「全く可視化されていない」は13・8%、「分からない・答えられない」は18・9%だった=グラフ1
 人手不足・人員体制が不足していることから退職を視野に入れたことがある人が4割超なのに対し、デジタル化での解決には「あまり期待できない」が37・6%、「全く期待できない」が11・1%と合わせて半数近くに上った。「分からない・答えられない」の14・6%を合わせると「6割がデジタル化を諦めている印象」(同社)とした上で=グラフ2、「業界全体をデジタル化しない限り今後の物流業界の進化は見込めず、人手不足やアナログ管理は解決できない」とした。
 ウイングアーク1stは、荷待ち荷役作業時間の可視化を「物流2024年問題改善のポイント」と位置付けている。荷待ち荷役時間の正確な計測が、ドライバー不足の原因の長時間労働の解決や荷役作業などの料金の請求につながるとして、業界全体でのデジタル化の推進を呼び掛けている。
 調査は10月22~23日、オンラインで実施。中小企業の運送業務に携わる513人のアンケート結果をまとめた。

グラフ1

グラフ2