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24/11/18

改正物効法の特定事業者、「利用運送」含まず 委員から扱いで指摘

 11月11日開催の国土交通省、経済産業省、農林水産省の3省合同会議で、改正物流総合効率化法の特定事業者に「貨物利用運送事業者」を含めないことが分かった。これに対し、委員から「規制的措置を設けないなら、貨物利用運送事業者に主体的に、物流改善に関わらせる表現にできないか」との指摘が出た。
 改正物効法では、年間物量9万トン以上の発・着荷主から約3200社、年間保管量70万トン以上の倉庫から上位約70社、車両150台以上保有の運送会社から上位約790社を「特定事業者」とする。罰則付きの規制的措置で、荷待ち・荷役削減を義務付けるものだが、国交省は、11日の合同会議で、このいずれにも貨物利用運送事業者は含まない方針を示した。
 この方針に対し委員から疑問が出た。立教大学教授の首藤若菜委員が、貨物利用運送事業者も物流改善に主体的に関わるよう、物効法取りまとめ案の表現修正を求めた。
 来年度施行される改正貨物自動車運送事業法でも、貨物利用運送事業者は規制対象となっていない。多重下請け構造での取引内容を可視化するため、元請けには実運送体制管理簿の作成が求められる。だが、貨物利用運送事業者が含まれない。
 10月26日まで実施のパブリックコメント(意見公募)を受け、国は取りまとめ案を修正。その中でも「運送会社から物流改善に関して協力要請があった場合には応じてほしい」といった表現にとどまっており、委員からの指摘につながった。
 物流に関わる2つの改正法で規制されないことから「荷主と貨物利用運送事業者の交渉で運賃、運ぶ物量、納品日が決まる。(下請けの実運送企業が)効率的な物流を行えるかは、貨物利用運送事業者にかかっているのだが」と首藤委員。
 意見を踏まえ、国交省は規制的措置の対象は変更しない代わりに、取りまとめ案で表現を追記するほか、物流改善の進ちょくを定期的に確認する場に物流子会社を招集したり、物効法の解説書で協力を求める。