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24/11/13

ANAHDら、沖縄県北部で血液製剤のドローン配送実現へ実験

 ANAホールディングス(本社・東京、芝田浩二社長)は11月27日~12月1日、伊藤忠商事ら9者と沖縄県北部地域へ研究用血液製剤配送にドローンを活用する実証実験を実施する。地理的特性から配送に人手や時間を要していた同地域での実証実験で、配送員の負担軽減効果や経済性を検証。緊急対応も可能な輸送体制整備につなげる。
 配送地点は、浦添市の伊那武瀬球場から名護市の名護漁港まで53キロメートル。積載量が高く速度もある機体「ウィングコプター198」を使い、赤血球製剤や全血製剤などの輸血用血液製剤を配送する。飛行レベルは3とし、無人地帯での操縦者の目視外飛行を行う。スギヤマゲン提供の定温輸送容器を組み込み、温度管理が難しいとされてきたドローンでの血液製剤輸送を品質管理の面からも検証する。

速度性、耐荷重性に優れた使用機体

 従来の配送方法では配送できる時間枠が限られていたが、ドローンによる配送で必要な時に必要な分だけ運ぶことができ、緊急時の血液製剤の効率的な供給や災害時への対応も可能となる。
 実験には、伊藤忠商事、都立墨東病院、沖縄県赤十字血液センター、スギヤマゲン、沖縄県立北部病院、名護市役所、浦添市役所、MROJapan、ANAあきんどが参加。全体取りまとめをANAHDが行い、実験結果の分析を墨東病院が担う。機体提供は伊藤忠商事が行い、陸送は赤十字センターが担当する。

実験ルートには一部目視外飛行も含む

 ANAHDは、実証実験を通して沖縄県での緊急性の高い医薬品や医療品の定温輸送技術を活用したドローン配送サービスを検証し、将来的には複数のドローンを同時に運航させる効率的な医療品の配送サービスの社会実装を目指す。