物流企業ら11社、物流の発展と魅力向上に企業共同体「バトン」を設立

　物流企業など11社が集まりこのほど、企業共同体「バトン」が発足した。物流が抱える課題の解決のためにさまざまな企業間の連携を進めるとともに、物流の魅力向上にも取り組む。まずは2025年４月の本格始動に向けて、課題の整理や情報共有を進める。
　セイノーホールディングス、第一貨物、トナミ運輸、トランコム、新潟運輸、ハコベル、福山通運、名鉄運輸、東京海上ホールディングス、東京海上スマートモビリティ、東京海上日動火災保険の11社が参画する（11月13日時点）。今後、幅広い企業の参画を募集していく。
　まずは、企業横断型の中継輸送実現を目指す。「運ぶ」「つなぐ」「ささえる」「備える」の４領域を焦点とした取り組みを進める。具体的には、マッチングや中継拠点の確保・整備、ドライバーの労働環境改善、新しい物流に対する危機管理などを検討する。
　共同体を通じ公平・中立でオープンな議論の実現を支援する。また、運用ルールの事前調整や、安定的な物量確保、中継拠点の選定などの今後取り組むべき課題を整理し、議論のための分科会なども設置する。
　物流を取り巻く課題に、企業の垣根を越えて協力し、解決を図る。政府が決定した総合物流施策大綱で掲げられている〝簡素で滑らか物流〟〝担い手にやさしい物流〟〝強くてしなやかな物流〟の実現に向けて取り組んでいく。
　運営事務局は、東京海上スマートモビリティと東京海上日動火災保険が担う。またアドバイザリーメンバーとして、全日本トラック協会の馬渡雅敏副会長、日本ロジスティクスシステム協会の松井拓ＪＩＬＳ総研所長補佐が参加。学識者として流通経済大学の大島弘明教授と東京大学の西成活裕教授が協力する。
　共同体への追加参加募集は、来年春以降を想定。１業界１企業などの縛りは設けていない。