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24/10/29

国交省、是正指導1000件突破 「長時間の荷待ち」最多

 2019年7月に荷主対策を強化して以降、今年9月末時点で、国土交通相による働き掛け、要請などの累計が1000件を超えた。主な違反原因行為では、長時間の荷待ちが全体の半数以上を占めた。国交省は6月から、地方運輸局・運輸支局のトラックGメンの活動を重視する体制に見直しており、地域単位で細かな監視を続けている。
 国交省によると、19年7月~24年9月までに実施された働き掛けの件数は914件。このうち、荷主に対する働き掛けは611件で全体の7割弱を占めた。元請けは281件だった。
 違反原因行為をしていることを疑う相当な理由がある場合に出す、要請の件数は175件。内訳は荷主が89件、元請けが81件でほぼ同数だった。勧告は24年1月に実施した2件だった。
 主な違反原因行為では、長時間の荷待ちが52%で最多。契約にない付帯業務(17パーセント)、運賃・料金の不当な据え置き(14パーセント)で続いた。異常気象時の運送依頼を理由に行政から是正指導を受けた割合も3%あった。
 適正取引を推進するため、国交省は11~12月を集中監視月間と位置付け、荷主・元請けに対する監視を強める方針。11月には中小企業庁、公正取引委員会を講師に招いた研修会を開き、トラックGメンがより効率良く情報を収集し、確実な是正指導につなげる体制を構築していく。
 昨年の集中監視月間は「手探りの中で実施した」(国交省)が、期間中の働き掛け、要請の件数が大幅に増加した。今年はより万全の体制を敷き、特に地方を中心に細かな取り組みを展開する。