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24/10/17

ヤマト運輸、再エネ100%・エネマネ導入の営業所を川崎市で稼働

 ヤマト運輸(本社・東京、長尾裕社長)は10月16日、川崎市に再生可能エネルギー電力を100%使用する「高津千年(ちとせ)営業所」を稼働した。川崎市などと連携し、再エネ電力の「地産地消」を目指す。また、複数台のEV運用を最適化するため、独自のエネルギーマネジメントシステム(EMS)を導入した。

再エネ由来電力で全EVの使用電力を賄う高津千年営業所

 高津千年営業所の所在地は、川崎市高津区東野川1ノ2ノ54。川崎市が2030年までに民間の電力消費に伴う二酸化炭素(CO2)排出量実質ゼロなどの実現を目指す「脱炭素先行地域」に位置する。屋根には太陽光パネルを設置し、蓄電池も備える。
 川崎市や、市などが出資した再エネ供給会社「川崎未来エナジー」と連携。太陽光発電と、川崎未来エナジーが提供する過程から排出されたごみなどの焼却で生み出される再生可能エネルギー由来電力で、集配業務に使用する全25台のEVの必要電力を賄う。

 また、EMSで営業所内の電力使用量、太陽光発電設備での発電量、蓄電池の充放電量をリアルタイムに可視化。自動で調整し、効率的なエネルギーマネジメントを行う。さらに、最大使用電力を制御することで、電力コストの低減を図る。
 ヤマトグループは50年温室効果ガス自社排出実質ゼロの実現に向けて、EVや太陽光発電設備の導入などを進めている。一方、複数台のEVを運用する物流施設では、夜間の一斉充電で電力コストが増加することや、太陽光発電だけではEVや営業所の電力がまかなえないこと、発電量が天候に左右されることなどの課題を抱えていた。