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24/10/08
国交省など3省、規制的措置の案公表 全荷主対象に28年度までの目標示し
国土交通省、経済産業省、農林水産省の3省はこのほど、荷主と物流企業の規制的措置の案を公表した。基本方針とともに、全ての企業に努力義務を課す物流効率化のために取り組むべき措置で、基本となる判断基準の具体例を示した。一定規模以上の企業を指定する「特定事業者」についても基準を提示し、最低でも5年に1度の中長期計画の策定を義務付ける。
10月26日までパブリックコメント(意見公募)を受け付ける。月内にも開催する3省合同会議で内容を確認した上で、まとめた内容を基に国が政省令を策定し、来年度以降段階的に施行する。
基本方針では、ドライバーの運送・荷役効率化を推進する意義を示した上で、当面の目標を掲げた。具体的には28年度までに、全トラック輸送の5割の運行で荷待ち・荷役を1時間削減し、ドライバー1人当たり年125時間の短縮を実現する。積載率と実車率を掛けた積載効率は全トラック輸送の5割の車両で50パーセントを目指すとともに、全体で44パーセントに引き上げるとした。輸送効率向上のため、重量だけでなく、容積ベースでの改善の必要性も盛り込んだ。
判断基準、分野ごとに提示
判断基準では「荷主」「貨物自動車運送事業者」「貨物自動車関連事業者」などに分け、積載率向上、荷待ち時間・荷役時間の短縮といった物流効率化につながる取り組み例をまとめた。各業界の所管大臣は判断基準を基に、企業の取り組み状況に応じて指導・助言、調査・公表を実施する。
例えば、荷主のうち、積載率向上では、実態に即した適切なリードタイムの確保、繁閑差の平準化や納品日の集約を通じた発送量・納入量の適正化を明記。荷待ち時間の短縮では、トラック予約受付システムの導入、混雑時間を回避した日時指定による貨物の出荷・納品日時の分散を求める。荷役時間の短縮では、パレットをはじめ効率化に役立つ輸送用器具の導入や、貨物量に応じた適正な荷さばき場の確保も盛り込んだ。
中長期計画は原則毎年度に
26年度以降は、一定規模の荷主、物流企業を「特定事業者」に指定し、判断基準に沿って企業が講じる措置や具体的な内容・目標、実施時期を記載した中長期計画の策定と、定期報告を義務付ける制度を開始する。計画は原則、毎年度提出することが基本で、内容に変更がなくても5年に1度出すことが必須。計画の未提出、取り組みが不十分な場合、国が勧告・命令を実施する。
特定事業者のうち、荷主とフランチャイズチェーン本部が該当する「特定荷主」「特定連鎖化事業者」は、年9万トン以上の取扱貨物重量を基準に上位3200社程度を指定する。「特定貨物自動車運送事業者」は保有車両台数150台以上で上位790社程度になる見通し。
また、特定荷主、特定連鎖化事業者には役員などから「物流統括管理者(CLO)」の選任を義務化。中長期計画の策定に加え、ドライバーの負荷低減や過度なトラック輸送への集中を是正する事業運営方針を作ったり、管理体制を整備したりすることを求める。