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24/09/11

国交省・永井安全政策課長、次期安全プランで飲酒と軽貨物対策検討

「飲酒運転が発生し続けていることは残念。削減しないといけない」と永井安全政策課長

 国土交通省物流・自動車局の永井啓文安全政策課長は8月28日の共同インタビューで、2026年度から始動する次期事業用自動車総合安全プランについて、「新型コロナウイルス感染拡大前の事故件数に戻りつつある飲酒事故対策を検討する」とした。来春から安全規制が強化される軽貨物の事故対策も盛り込む。
 飲酒事故対策については次期安全プラン策定に向け、「発生状況も踏まえて検討する必要がある」と永井課長。
 交通事故総合分析センターの統計によると、軽貨物を除くトラックの飲酒運転事故件数は20年度以降、減少傾向だったが、23年度は22年度比17件増の23件。「新型コロナ感染拡大前の19年度(28件)の発生状況に戻ってきている」(永井課長)。
 国交省が3月末に策定した飲酒運転防止マニュアルで、アルコール依存症となったドライバーへの治療法、改善策を盛り込んできたが、「これまでは罰則のみの対策だった。ドライバーの飲酒量をコントロールする方法を検討することも重要」とし、飲酒状況を踏まえた対策を次期安全プラン策定時に検討する。

要因分析し来年度詳細決定

 また、軽貨物はEC市場拡大で、宅配取り扱い個数はこの5年で7億6000万個増加。これに伴い、宅配貨物を扱う軽貨物の事故は16年の199件から22年に403件と倍増した。
 この状況を踏まえ、来年4月から、個人事業主と運送会社に対し、点呼や点検の法令知識を習得した安全管理者の選任、初任運転者や高齢者、死傷事故を起こした人への適性診断受診などを義務化する。こうした対策も次期安全プランに新たに盛り込む方針を示した。
 今後のスケジュールについては「今年度の有識者会合で、事故発生要因を分析し、来年度、次期安全プランの詳細を決定する」とした。