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24/09/03

物流・自動車局25年度概算要求、新たな労働規制で省人化、MSなど促進

 国土交通省物流・自動車局の2025年度予算概算要求がまとまった。今春から開始されたトラックドライバーの新たな労働規制に対応するため、懸念される輸送力不足解消に向けた自動運転トラックを活用した省人化、鉄道・船舶のモーダルシフトを推進する。 同局の要求額は一般会計、自動車安全特別会計、財政投融資特別会計を合わせ、24年度比1・1倍の892億円。そのうち、同3・8倍となる35億2500万円の予算を物流効率化のために求めており、24年問題への対応を目指す。
 物流効率化では、新規事業として、ドライバー不足解消に向けた幹線輸送での自動運転トラック実証を行う。物流拠点間の幹線道路での走行実証、有人トラックから自動運転トラックに切り替えるための物流拠点の整備を実施する運送会社に補助する。車両購入費、物流拠点開発費を補助対象とし、3億1300万円を要求した。国交省は24年問題による輸送力不足が叫ばれる中、長距離を走行する幹線輸送で省人化を推進したい考え。
 さらに、モーダルシフト促進に向けては取り組みを拡充するため、5億9900万円を要求した。その一部を活用し、輸送で活用する31フィートコンテナ、40フィートコンテナ、海運用のシャーシの導入経費の荷主、物流企業、自治体による協議会への補助を想定している。地場産業の輸送といった地域の産業振興に向けてモーダルシフトする場合に補助対象を拡大する。今年度は取り組みに限らず荷主と物流企業の協議体への補助だった。

地方の中小荷主活用増加へ

 モーダルシフトでは中小の荷主に取り組みを広げることが課題だったため、中小が中心の地場産業に注目することにした。政府は、トラックドライバーの労働規制強化に伴う輸送力不足の対策として、今後10年程度で鉄道・船舶の輸送量・分担率を倍増させることを目指しており、補助拡大によって実現につなげる。

車両や業務の効率化を支援

 加えて中小物流企業の業務効率化に向けたテールゲートリフター、トラック搭載クレーン、トラック予約システムの導入費支援に3億3500万円を要求したほか、国が推奨する平面サイズ1100×1100ミリメートルの標準パレットを活用する荷主と物流企業へ、フォークリフトとラックの設備導入改修費を補助するため、1億5000万円を求めた。
 他に物流の脱炭素化支援へ、物流企業から関心が高いFCトラックを円滑に利用できるよう、水素スタンドへの補助も想定しており、6億円を要求。安全確保と業務効率化へデジタルタコグラフ、遠隔点呼システム、自動点呼ロボットの導入支援などにも12億2500万円を求めた。