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24/09/03

国交省、25年4月安全規制を強化し軽貨物に管理者選任

 国土交通省は来年4月から、貨物軽自動車運送の安全規制を強化する。安全管理者の選任と講習の受講や、業務記録の作成・保存などを義務付けることが柱となる。安全対策の見直しに合わせ、現在除外されている監査対象に軽貨物を加える。
 安全規制の強化は、貨物自動車運送事業法の改正に伴う規制的措置と呼ばれる対策の一つ。一般貨物運送とほぼ同じ内容に見直すのがポイントで、個人事業主を含めた全ての企業に対し、営業所ごとに安全管理者の選任を義務付ける。
 選任後、企業名とともに、安全管理者の氏名と生年月日、兼任の有無などを国に届け出させる。管理者は2年ごとの定期講習受講が必要で、運行管理者を選任済みの場合は兼任も認める。施行前から事業を行う個人事業主・企業は施行後、2年間の猶予期間を設ける。
 新たな仕組みでは他にも、業務の開始・終了、休憩の日時などを記載する乗務記録を作成させ、1年間の保存を義務付ける。3年間の事故記録保存や、大事故を起こした場合に国交相に報告させることも義務化する。

一般と同じく監査対象追加

 新規雇用のドライバーや65歳以上の高齢者、死傷事故を起こしたドライバーには、指導・監督とともに、適性診断の受診も義務化。既存の事業主・企業には負担を考慮し、3年間の猶予期間を設ける。適性診断の受診記録などを記載する運転者台帳の作成と、営業所での備え置きも求める。
 また、安全規制の強化に合わせ、国交省はこれまで除外されていた監査対象に軽貨物を追加。地方運輸局長などが監査の計画を作成する。
 近年、軽貨物の死傷事故が高止まりする中、国交省は昨年1月、「貨物軽自動車運送事業適正化協議会」を設置。業務を委託するインターネット通販企業や大手運送企業、求荷求車のマッチング企業などが委員となり、安全規制の内容を検討してきた。