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24/09/02

ゼロコ、北海道千歳市で道産食材対象の鮮度保持技術の実証実験を開始

 鮮度保持機器の製造などを手掛けるゼロコ(本社・東京、楠本修二郎社長)は8月28日、北海道千歳市に鮮度保持技術「ゼロコ」を備えた165平方メートルの設備を設置し、道内産食材・食品を対象とした実証実験を開始した。生鮮食品の長期間高品質保存を可能にする技術で賞味期限延長を可能にし、新たなバリューチェーン構築を目指す。
 実証実験では、北海道千歳市を拠点とするMMCフードサービスの物流倉庫に鮮度保存技術のゼロコを導入。千歳市や近郊のレタス、ブロッコリー、メロンなど温度管理や収穫から食卓に届くまでの時間管理が難しい食材に注目し、品質を維持しつつ道内や全国に配送する。また、これまで難しいとされていた牛乳の冷凍食品化について、品質保持を検証し、牛乳廃棄問題にも取り組む。
 実験で得られた成果を基に加工品や流通・小売業への導入、また道外や海外への流通など、幅広く展開する。農林水産省の「中小企業イノベーション創出推進事業」助成を受けて実施する。
 日本の食産業は農業、漁業、畜産業の担い手減少など深刻な局面に直面している。背景には、第1次産業では生産と同時に腐敗や劣化が生じ、保管できず食料供給が安定せず、生産者が価格を決定できないという構造的問題がある。ゼロコは、鮮度保持技術により生産者が在庫を持ち、価格を決定できる新たなバリューチェーンを構築し、第1次産業が抱える課題の解決を目指す。

実証実験を行う約165平方メートルのゼロコ導入設備

千歳市の生産者に技術について説明するMMCフードサービスの宮谷将徳社長