- 行政・業界団体
24/08/14
国交省、保有台数で命令基準 悪質違反には許可取り消しも
トラック業界の健全化を目指し、国土交通省は貨物自動車運送事業法に基づく命令の発動基準を制定する。監査などで、届け出た車両保有台数と異なる運送企業に対し、事業計画変更を命じた上で従わない場合は事業許可を取り消す。パブリックコメント(意見公募)を経て10月に施行する。
地方トラック協会の適正化事業実施機関による巡回指導、国の監査で、営業所の最低保有台数違反や、国に届け出た事業計画と実際の車両台数が合わない企業に命令を発動する。その後、運輸支局に呼び出して改善指導し、命令日から原則3カ月以内に事業計画変更認可の申請を行わせる。
命令後も申請を行わなかった企業には、貨物自動車運送事業法に基づき60日車の車両使用停止などの処分を科すとともに、再度、事業計画に従うよう命じる。それでも改善に応じなければ、事業許可を取り消す。企業の確認は、適正化事業実施機関と運輸支局が連携しながら進める。
業界の健全化推進が目的
新たな命令の発動基準制定は、政府が昨年まとめた物流政策パッケージを受けたもの。悪質な企業が利益を得るモラルハザードが生じないよう、法令順守意識が低く、悪質な法令違反が常態化していると認められる企業に改善を促す観点から、監査を強力に実施することが明記されていた。
業界では事業計画申請後に減車し、基準で定める最低車両台数を割り込む「5台割れ業者」が課題となっている。
国交省は「地方適正化事業実施機関と連携し、(5台割れを含め)事業計画に反する企業を確認した場合は、計画に従わせることで業界の健全化を推進したい」としている。